Vol.10


豊かな香りと旨味が特長の黒毛和牛

なかでもトップレベルの「佐賀牛」です

 現在、全国には200種類以上のブランド牛肉があるといわれていますが、その数あるブランド牛肉の中でも「佐賀牛」は、「仙台牛」に次ぐ全国でも2番目に格付け基準の厳しいブランド牛肉です。日本食肉格付協会では「霜降りの入り具合(BMS)」「肉の色つや」「肉質のきめとしまり」「脂肪の色つや」などによって肉質を1~5等級に分類。「佐賀牛」はその4等級以上(詳細に言えば4等級でも脂肪交雑BMS12段階のうち7段階以上)と定めています。これは、生産農家にとってはかなり高いハードルとなっていて、だからこそ「佐賀牛はやっぱりおいしい!」と消費者の皆さまに言っていただける人気のブランド牛肉となっているのだと思います。

詳しくはコチラ▶▶▶ 『佐賀牛とは』のページへ

30年間の試行錯誤の取り組みが結晶して

今の「佐賀牛」の高い肥育技術に

 30年前までは、佐賀県内の肥育農家が育てた牛は、地域ごとにバラバラに関西方面に出荷されていましたが、自分たちが丹精こめて育てた牛を自信を持って世の中に送り出していこうと、肥育農家とJAさがが協力して立ち上げたのが「佐賀牛」です。厳しいブランド基準を設け、品質の高い肉質づくりと安定出荷への取り組みが始まります。そして、「佐賀牛1号」「佐賀牛2号」などの特別飼料の開発に加え、餌の与え方、健康管理など長年にわたる試行錯誤の取り組みが積み重なって、今の高い飼養技術が確立されていくことになります。そんな先人たちの技術と情熱を私たち若い後継者が引き継ぎ、優れた和牛を肥育するため今も日々努力を重ねています。

「佐賀牛」を育む肥沃な大地

それが胃袋つくりに欠かせない佐賀平野の良質な稲わらです

 佐賀は特Aにランクされる「さがびより」や「ひのひかり」「ひよくもち」「夢しずく」などの銘柄米で知られる米どころ。このおいしいお米を育むのは広大で肥沃な佐賀平野です。実は、その副産物である大量の稲わらが、牛の胃袋づくりには欠かせない粗飼料となるのです。佐賀平野の稲わらは甘味があり嗜好性が高く、なおかつ1年間保存しても品質が変わらないという優秀な粗飼料で、私たち佐賀牛生産農家は本当に環境にも恵まれていると、つくづく感じます。

 

中山牧場では佐賀平野の稲刈りが始まると大イベント的に皆で熱く燃える稲わら収穫、ロール約2万個を大型トラック6台でピストン輸送。大勢のスタッフで佐賀平野の田んぼと牧場を走り回り2カ月にわたるこの「わら寄せ」作業はかなりの体力勝負。これで1年間分の粗飼料を確保できるわけですから本当にありがたい限りです。おかげさまで今年も「わら寄せ」無事終了です!


国内外から、レストランシェフやバイヤーさんの視察が増えています

 佐賀牛肥育農家それぞれの地道な努力の積み重ねによって、品質は向上安定。生産農家やJAさがの熱心な販促活動も実って、ここ数年で首都圏でも「佐賀牛」の認知度は飛躍的にのびました。さらに香港、マカオ、シンガポール、アメリカにも輸出されてグルメたちの舌をうならせ、「佐賀牛はおいしい!」との評価も高まっていると聞きました。うちの牧場でも、年を追うごとにレストランのシェフやバイヤーさんなど国内外からの視察が増えていますが、実際に現場で「佐賀牛」を見ていただくと共に、私ども農家の思いと情熱も受け止めていただきたい。そして、安心して食を提供していただき、命を伝えていただきたい、と願っています。私たち中山牧場は30周年を迎えた「佐賀牛」の生産農家として、その高い評価にあぐらをかくことなく、これからも国内の、そして海外の各産地とも切磋琢磨し、さらにおいしいお肉を皆さまにお届けしたいと思っています。

〈2014年 冬〉

「佐賀牛を守り続ける後継者です

唐津南高校3年生の甥の駿(すぐる)が、10月22日に沖縄県で開かれた「日本学校農業クラブ全国大会」意見発表の食料・生産部門で、佐賀牛生産農家の後継者として、しっかりした考えを発表し、最優秀賞を頂きました。

佐賀新聞 2014年11月6日(水曜日)掲載


Vol.28<2023年 冬> 玄海町の「SDGsの目標7」の取り組み

Vol.27<2023年 夏> 子育て真っ盛りの若手スタッフも増えてきました。

Vol.26<2022年 冬> 通信でお伝えしたいのはありのままの中山牧場です。

Vol.25<2022年 夏> 将来の牛飼いを夢見て、若い夫婦が玄海町にやって来ました。

Vol.24<2021年 冬> 飲食店の元気は、社会の活力です。

Vol.23<2021年 夏> 今春から新たな事業にもチャレンジです

Vol.22<2020年 冬> 私たちの玄海町にも「地域おこし協力隊員」と「素敵な家族」が来た!!

Vol.21<2020年 夏> 出来ることを一生懸命

Vol.20<2019年 冬> 私たちは、ブランド和牛である『佐賀牛・佐賀産和牛』を厳選してお届けします。

Vol.19<2019年 夏> 繁殖から肥育まで。牛たちを無事に出荷できるのも地元の協力あってこそ!

Vol.18<2018年 冬> 和牛をおいしく楽しく堪能!

Vol.17<2018年 夏> おかげさまで 中山牧場50周年、食肉販売部門20周年

Vol.16<2017年 冬> お肉のことを知れば知るほど、選び方や味わい方、たのしみ方がひろがります。

Vol.15<2017年 夏> 唐津・玄海育ちの「佐賀牛」冊子を製作しました。

Vol.14<2016年 冬> 「町のお肉屋さんを目指して!」肉の中山牧場呼子店オープン

Vol.13<2016年 夏> 「ふるさと納税」佐賀牛大変ご好評いただいてます!

Vol.12<2015年 冬> 牛の世話は母ちゃんにおまかせ!だって子育てと一緒やもん。

Vol.11<2015年 夏> 中山牧場の基礎を築いてくれた両親。

Vol.10<2014年 冬> おかげさまで、佐賀牛ブランド30周年。

Vol.9 <2014年 夏> フレー!フレー!「八重山郷里」日本初の子牛ブランド誕生。

Vol.8 <2013年 冬> 中山牧場「ひとりで楽チン!」シリーズ。第一弾完成!

Vol.7 <2013年 夏> 玄海町は修学旅行生の民泊・体験学習を受け入れ中!

Vol.6 <2012年 冬> 「和牛のオリンピック」に佐賀県代表選抜出品されました!

Vol.5 <2012年 夏> 中山牧場を『堪能できる』お店をご紹介します。

Vol.4 <2011年 夏> 石垣島は人も自然も最高! 中山牧場のスタッフ、只今奮闘中。

Vol.3 <2010年 冬> 牧場で育てた牛、その中でこれは!という牛をせり落とす。

Vol.2 <2010年 夏> うちの牧場では繁殖も行っているんですよ。

Vol.1 <2009年 冬> 秋の藁寄せは、一年のビッグイベント!