Vol.28

玄海町の「SDGsの目標7」の取り組み

新聞やテレビでもよく目にするようになった「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」は、世界のすべての人が取り残されずに、安全安心な人間らしい暮らしができること、地球に住み続けられるよう環境問題も解決・改善することを目指し17の目標で構成される2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標のことです。

目標7では、水力発電、風力発電、バイオマス発電、太陽光発電、地熱発電のように資源を再生でき資源がなくなる心配がない「再生可能エネルギー」のことをクリーンなエネルギーと定義されていますが、玄海町の畜産農家も牛の糞尿をエネルギー資源にバイオマス発電で「クリーンエネルギー」の取り組みに参画します。


「佐賀牛産地」で環境に優しいバイオガス発電スタート!

人口5855人の佐賀県玄海町は、人口よりも多い約7300頭の牛を保有するブランド牛「佐賀牛」の一大産地です。皆さまのおかげで「佐賀牛」の認知度と人気があがる一方で、産地の長年の大きな課題は大量の糞尿をどう処理するかでした。そこに牛の糞尿を再生可能エネルギーとして活用する九州最大の家畜糞尿メタン発酵処理施設バイオガスプラントが玄海町内に計画され先ごろ建設完了!長年の課題が解決できることに!。さっそく来年本格稼働が予定されている玄海バイオガス発電所に取材に行ってきました。


バイオガス発電って何?

バイオガス発電は、再生可能エネルギーの中でも動植物などから生まれた生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電するバイオマス発電のひとつです。玄海町では牛の糞尿を発酵させて生成した「バイオガス」を利用して発電させるのですが、太陽光発電や風力発電のように天候の影響を受けることなく安定した電力を提供することができるという利点があります。

牛の糞尿は廃棄物じゃなくて、立派な資源です

玄海町のバイオガスプラントでは1日最大190t  約3800頭分の糞尿の処理が可能。糞尿を発酵、発生したバイオガスを使い1日28800kW、一般家庭の消費電力に換算して4500世帯の電気を作り出すことができます。さらにメタンガス発生後は、良質な堆肥として農地へ、再生敷料(牛の寝床)として畜産農家へとリサイクルされます。今まで処理に手間がかかっていた家畜糞尿がこれからは安定供給できる立派な資源に変わることになります。

15分圏内の資源搬入

玄海町の畜産農家が糞尿を資源として搬入を行いますが、バイオガスプラントまでは、遠くても 15分程度なので運搬にかかる時間や移動のための燃料も抑えられ環境に優しい取り組みにもなっています。

畜産農家が取組む循環型社会

牛の糞尿を無駄にせず資源としてReduce(リデュース)、バイオガスプラントで活用することでReuse(リユース)そして、資源として再び利用する Recycle(リサイクル)することで、循環型社会を実現させることができます。

これから、畜産農家の私たちが積極的に玄海バイオガス発電株式会社さんと協力して、玄海町でより良い循環型社会を作り上げたいと思っています。機会がありましたら、どうぞ、私たちの取り組みを視察にお越しください。

玄海バイオ株式会社業務部長 地元出身の山口武寅さん
玄海バイオ株式会社業務部長 地元出身の山口武寅さん

農家には家畜の糞尿があまっているとはいえ、よそから来た民間企業が集めるのが難しいという先進地事例が多い中、地域の畜産農家が株主となって糞尿を集める玄海バイオ株式会社を設立。畜産農家が意識をもったからこそこの施設の建設にたどり着いたと思います。

玄海肥育牛部会  部会長 松尾治さん
玄海肥育牛部会 部会長 松尾治さん

以前から飼養頭数が増えていく中で問題だったのが糞尿の処理。手間をかけて堆肥を作っても農地で活用される量に限りがあり各畜産農家内での処理能力に限界がきていましたが、バイオガス発電で現状の問題が解決するうえに、さらに増頭を考えてる畜産農家にとってもいい取り組みです。



玄海バイオガス発電株式会社  取締役 発電所長 荒神琢磨さん(左)とオペレーターの平田喜矢さん(右)
玄海バイオガス発電株式会社 取締役 発電所長 荒神琢磨さん(左)とオペレーターの平田喜矢さん(右)

この施設の開発段階から携わられた荒神さんの施設説明は、身近な生活シーンと結びつけた例え話で解りやすく面白いのが特徴です。地元と施設の繋ぎ役の平田さんは、生まれも育ちも玄海町。以前、畜産関連のお仕事をされて地元の畜産農家からの信頼の厚いスタッフです。

玄海バイオガス発電所

佐賀県東松浦郡玄海町石田381-1

https://genkai-biogas.com

 

【交通アクセス】

・JR唐津駅より車で約30分

・JR博多駅・福岡空港より車で約1時間30分

玄海町役場を目印にお越しください。役場から車で約10分


<2023年 冬> 


Vol.28<2023年 冬> 玄海町の「SDGsの目標7」の取り組み

Vol.27<2023年 夏> 子育て真っ盛りの若手スタッフも増えてきました。

Vol.26<2022年 冬> 通信でお伝えしたいのはありのままの中山牧場です。

Vol.25<2022年 夏> 将来の牛飼いを夢見て、若い夫婦が玄海町にやって来ました。

Vol.24<2021年 冬> 飲食店の元気は、社会の活力です。

Vol.23<2021年 夏> 今春から新たな事業にもチャレンジです

Vol.22<2020年 冬> 私たちの玄海町にも「地域おこし協力隊員」と「素敵な家族」が来た!!

Vol.21<2020年 夏> 出来ることを一生懸命

Vol.20<2019年 冬> 私たちは、ブランド和牛である『佐賀牛・佐賀産和牛』を厳選してお届けします。

Vol.19<2019年 夏> 繁殖から肥育まで。牛たちを無事に出荷できるのも地元の協力あってこそ!

Vol.18<2018年 冬> 和牛をおいしく楽しく堪能!

Vol.17<2018年 夏> おかげさまで 中山牧場50周年、食肉販売部門20周年

Vol.16<2017年 冬> お肉のことを知れば知るほど、選び方や味わい方、たのしみ方がひろがります。

Vol.15<2017年 夏> 唐津・玄海育ちの「佐賀牛」冊子を製作しました。

Vol.14<2016年 冬> 「町のお肉屋さんを目指して!」肉の中山牧場呼子店オープン

Vol.13<2016年 夏> 「ふるさと納税」佐賀牛大変ご好評いただいてます!

Vol.12<2015年 冬> 牛の世話は母ちゃんにおまかせ!だって子育てと一緒やもん。

Vol.11<2015年 夏> 中山牧場の基礎を築いてくれた両親。

Vol.10<2014年 冬> おかげさまで、佐賀牛ブランド30周年。

Vol.9 <2014年 夏> フレー!フレー!「八重山郷里」日本初の子牛ブランド誕生。

Vol.8 <2013年 冬> 中山牧場「ひとりで楽チン!」シリーズ。第一弾完成!

Vol.7 <2013年 夏> 玄海町は修学旅行生の民泊・体験学習を受け入れ中!

Vol.6 <2012年 冬> 「和牛のオリンピック」に佐賀県代表選抜出品されました!

Vol.5 <2012年 夏> 中山牧場を『堪能できる』お店をご紹介します。

Vol.4 <2011年 夏> 石垣島は人も自然も最高! 中山牧場のスタッフ、只今奮闘中。

Vol.3 <2010年 冬> 牧場で育てた牛、その中でこれは!という牛をせり落とす。

Vol.2 <2010年 夏> うちの牧場では繁殖も行っているんですよ。

Vol.1 <2009年 冬> 秋の藁寄せは、一年のビッグイベント!